読了『ソーシャル・ファシリテーション 「ともに社会を作る関係」を育む技法』

ワークショップだけでなく、いろいろな話し合いの場に参加する機会が増えてきたので、ファシリテーションではどのようなことに気をつけて行くべきなのかについて、ある程度、知っておく必要があると考えていました。今までのやり方は、あまりにも経験則に基づいているというか、あまりにも自己流でした。

そのようななかで、実にタイミングよく友人が本書を送ってくれました。実にタイムリーでした。ありがとうございます。

本書では、ファシリテーションを「話し合いを支援・促進する技術」に留まるものではなく、「複数の人々の関係や共同行為を支援・促進すること」、やわらくいえば「人と人の〈つながり〉や〈かかわり〉を後押しすること」であるとしています。前者のファシリテーションを「小文字のファシリテーション(facilitation)」、後者のファシリテーションを「大文字のファシリテーション」と呼び区別しています。

ファシリテーションを〈関係や共同行為を支援・促進〉という広い意味で捉えるので、本書が単なるファシリテーションではなく、「ソーシャル・ファシリテーション」と表現していいます。

さまざまな場において、その人がいるからこそ、その場が安らぎ、より機能していくという役割を担ってくれるような人がいます。どのような名称をつけようとも、そのような人が担ってくれるものはある程度共通項があると思います。

しかし、私たちはどのようにそこに存在するのかと言うことは、私たちにつけられた名称によって、影響を受けることが往々にしてあります。たとえば、リーダーと呼ばれてしまったら、「リーダー」というディスコースによって、影響を受けます。そのように「上司」、「コーチ」、「メンター」など、自分の存在意義を前面に出すように仕向けられるものがあります。

そのような名称の中で、ファシリテーターは、その場の人々の関係や話し合いを促進するためにそこにいるということを示唆するという点において、名称的に適切であり、個人的に気に入っています。

場において、自分がどのようにありたいのかということを考えていきたいと、改めて思いました。

非常に読みやすく、優しく書いてありますので、おすすめです。

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