ナラティヴ・メディエーション ~ロールプレイの役割を通して~

ナラティヴ・メディエーション (2019.12.21 ナラティヴ・アコーナ)
~ロールプレイの役割を通して~

ロールプレイのシナリオ作りに関心を持ち、私は何をするのかも曖昧なままに手を挙げた。シナリオ作りは、他のメンバーとのやり取りから始まり、何かしら日常が立ち行かなくなっているという状況の姉妹の背景を作ることにした。そして、調停、仲裁、対立解決へのアプローチを目指すデモンストレーションとなるようなシナリオを作っていった。

◎ いろいろな感覚を持ってそこに居た私

私は三女役としてその場に居た。ロールプレイの長女と二人で、ほぼ横並びに腰かけた。私は、来談内容(シナリオ)とは別に誰と向き合うことになるのかをなんとなく想像しながらそこに居た。私たち姉妹二人の前にはカウンセラー(KOUさん)がすわっている。隣に腰かけている長女とのやりとりがどんなふうに進んでいくのか、興味津々でもあり、不安でもあり、ロールをとることで私の日常が表れたり、ロールと日常との感覚に差を覚え少し戸惑ったりするかもしれないと感じていた。デモンストレーションが始まり、どれほど日常の自分の姿勢が反映さるのかなぁと漠然とだが抱いていた怖れに似たものもちらっと顔を覗かしかけた。

そして、開始と同時にカウンセラーから「僕もそれぞれの立場からのことを理解したいと思っていますので、どうか、ご自身の立場のことを言ってもらって構いません。それぞれにご自身の立場のところからのことを語ってから、ちょっとみんなでどうするかのディスカッションをしたいと思います。それぞれが充分に時間が取れるように同じような分量の時間で話すことにしていきたいと思います。」と実際に言われ、相手のことに配慮するだけでなく、私は私の立場でものを言っていいんだと、とてもほっとした。正直に居たいとも思った。

◎ 私は私の立場で語ること

私一人ではこれまで語ろうとしてこなかった些細な他の人との差異、特にきき方、受けとり方については経験から伝わらないだろうと思っていた。その私の特徴を語ることをあきらめていた。その分、何か引っかかりながらも承諾する自分がいつも居たが、カウンセラーから姉妹それぞれに「私は私の立場から語る」ことを持ってこの場に招かれた。これで私の戸惑い、不安、怖れがパチンと弾けて無くなった。カウンセラーへの信頼感は、長女への距離を埋めるきっかけとなっていた。

◎ トライアングルの位置で

姉妹二人のそこでの関係性やカウンセラーとのそれぞれの関係性が固定されておらず、3人の位置はそれぞれの間にある一辺の長さ、辺と辺をつなぐ角度が変わることとつながりながら変化していた。長女に伝えることに難しさを感じつつも二人の関係を作る一歩として自分に正直に話したいと思っていた。

◎ 普段は語らないことを語ろうとする私

カウンセラーは、私があることに過敏であることのしんどさ、それを伝わらないとあきらめていることのやるせなさを何かしらキャッチして語る機会をそっと与えようとしてくれた。そのことを何度か「言っていいよ」「言っていいよ」と声をかけてもらった感じがする。それでもなお、言いよどんでいる私の代わりに、私と相手との間に私の声を置こうとしてくれた。私が語ろうとすることの大切さを私は認証してもらった。

◎ その時その場でのあり様

カウンセラーがクライアントのどちらのにも偏らず私はいますといえることと、今カウンセリングの場でどのくらい厚みのある関係性を築いていこうとするのかを支えることは、どれほど大切なのかを感じる。その姿勢でカウンセラーがいること自体が、クライアントにも伝わり影響があるのだと思う。

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