ナラティヴ・セラピーを身近に実践していると、以前よりアドバイスをすることが少なくなりました。
それは、きっと相手とその問題との関係性を話す中で、話す本人が「ま、いっか」となることが多いからでしょう。
話す本人が「話していて思ったのですが・・・」ということが少なくないからでしょう。
国重さんのナラティヴ・セラピーの講座では、いくつも印象に残る言葉があるのですが、特に印象に残っているのは「下手なアドバイスをしない」というニュアンスのものでした。
相手が抱える困ったことを聴いて、「困った困ったどうしよう・・・でも解決したいし・・・」となって、結局は下手なアドバイスをしてしまう。
こんなことって今まで、何度も繰り返してきたなぁ、と遠い目で振り返っています。
以前から自分はアドバイスをすることは好きではなかったですが、ナラティヴ・セラピーを身近にしてからは、ほとんどアドバイスをすることはなくなりました。
もちろん、就活支援ですから、ESの書き方や面接の進み方などは、情報提供をしっかりします。
でも、「これから就活をどうしていいか悩んでいる」「内定先の選択をどうするべきか」なんて内容には、「何がそれをさせているのか?」という、その問題が本人に与える関係性をじっくり聴いていくことに注力していることで、前よりもアドバイスが少なくなり、相手の満足度も上がっているように思うのです(思うという感覚よりも強い実感があります)
相手が言っている問題が、問題ではない場合も少なくありません。
また、問題の程度も、それほどでもない、ということもあります。
まずは話を聴くこと。
シンプルに迷いなく、相手に集中できることを、ナラティヴ・セラピーは自分にもたらせてくれています。
そして、「市井の人のナラティヴ」は続いていく・・・。
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大学生や社会人のキャリア支援をしているキャリアカウンセラーの「たく」です。
2年前にニュージーランドにナラティヴ・セラピーを学んで「これは身近なものにしてみたい!」と、日々のちょっとした等身大の奮闘などをリアルにお伝えできれば。
目標は「日常にナラティヴ・セラピーを」「市井の人のナラティヴ・セラピー」を目指して、週1回のペースで書いていくこの内容が、誰かの「ナラティヴやってみようかな・・・」という第一歩につながることを願って。
「市井の人のナラティヴ・セラピー」の、日々のちょっとした奮闘をリアルにつづります。
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