ナラティヴセラピーワークショップ4日目

こんばんは。大串綾です。
またやってしまいました。。またかなり長文の投稿を一度消してしまいました。。。写真を選ぼうとすると消えるときがありますのでご注意ください。。もう諦めかけたのですが、それは悔しいので、もう一度まとめます。今度は、さっき書いたものより良いものができるはず。。

ナラティヴセラピー4日目が終了しました。

午前中はJenny SnowdonによるM.Foucaultの講義。午後は、その振り返りでした。

いやー難しかった!言葉を精密に使い分けながら概念を説明しているので、通訳が入るとなおのこと難しい!!通訳すること自体、大変だったと思います。おつかれさまでした。
しかし、難しいだけでなく、人間観、世界観につながる、とても影響された話でした。

まず、講義の内容をまとめます。
今回説明された概念は、Power, Domination, Resistance, Discourse, Knowledgeです。

・Power 権力、力。フーコーは、一般的に「権力」で意味されるものとしてだけでなく、毛細血管のように、行動や姿勢やディスコースや毎日の生活に存在しているものとして、Powerという言葉を使っています。カウンセリングルームの部屋に入るということそのものも、Powerになりえるということです。所有されるものではなく行使されるもの。

・Domination 支配。どのようにして私たちはだんだんと、複数の力やエネルギーや欲求や考えによって構成されているでしょうか、という問いかけがされました。支配は、すべての可能性の扉を閉めてしまいます。動く余地がないということ。毎日のちょっとした行動も、支配になりえます。たとえば、職場のタイムレコーダーや、夫へのメールなど。力関係はごちゃごちゃしたものになりがちです。人が行動を起こせる人であると認識されているときには、関係は責任や反応や結果や新しいものに対して開かれています。

・Resistance 抵抗。力関係があるところには抵抗がある。抵抗は、必ずしも肉体的なものとは限らず、なにかをされて恐怖を持つことも、それを受け入れまいとしているという点で、抵抗のひとつです。Powerは鎖のように働いていて、単純に押さえつけるものではなく、生産的なものになりえます。PowerがResistanceを生み、そこから新しい行動や結果につながります。レスリングやダンスのように、抵抗があることで新しい動きが生まれます。

・Discourse
Foucault は、いかにPowerとKnowledgeが社会を形作っているか、関連しているかを理解するために、Discourse という概念を提案。PowerはDiscourseを通して、Knowledgeを作ります。Knowledgeには、Savor(Local knowledge) とConnaisance(received knowledge)の2種類あります。後者は、考えられることなしに、当たり前のこととして、周囲から受け止めたもの、それに対して前者は自分の体験から得たものです。私たちは、社会での役割を続けるために、dominant discourse(支配的ディスコース)の通りでいることが大切。しかし、多くの日とは、自分を能力のある人として見る違う描写を持っているもので、支配的ディスコースが、その人のアイデンティティを脅かすときには、それらがディスコースに反抗することを助けてくれる。

最後に、私の考えたことのまとめます。

力関係があり、抵抗を生み、新しい動きが生まれていく、という創造的なサイクルになりうる、ということがとても大切に思えました。ただ、支配関係になると、動きが起こらない、ということに注意したいと思います。カウンセラーとして、Powerというものに敏感に反応して、力関係を消すことはできないし消さなくていいんだけれども、理解して調整をはかることが、より生産的なカウンセリングのために大切だと思いました。

Discourseと2種類のKnowledgeについてが、もっとも興味深く感じたところであり、また、難しく感じたところでもありました。Powerが毛細血管のように私たちの日常にさりげなく入り込んでいて、それによってDiscourseが形作られ、人々のKnowledgeを構成するようです。

今回、今まで考えることのなかったことを考えることができたことが、大きな意味がありました。まだ、ナラティヴセラピー初学者のうちに、ナラティヴセラピーで使われている言葉の意味を知ることができてよかったと思います。今回の講義は、情緒的になにか感じるようなものではなかったですが、言葉から理解をしていくことで、人間観や世界観というもの自体に影響を与えてくれたと思っています。世界の仕組みとして、こうだから、この質問をしよう。そのように聞いているから、ナラティヴセラピーの質問は、あのようになっているんだな、と今までよりも一歩深く知ることができました。

ところで、もう一度まとめてみて、結果的に、より理解が深まって自分の言葉で説明しやすくなった気がしています。よかった。
ここにコメントを書ける設定だったか、定かでないのですが、みなさんが追加したいことや、違う理解や発展させた考えを聞いてみたいです。「スペース」という部分を活用して、話し合える場を作ってもおもしろくなりそうですね。