今考えている(妄想している)ことをシェアさせてください。
私の周りだけのごく局地的な現象だと思うのですが、ナラティヴ・アプローチに取り組み始めてくれている人が増えています。そのようななかで、私が提示するもの、それは私の説明であったり、カウンセリングのやり方であったりするとおもうのですが、それがナラティヴ・アプローチであると限定されたくないという気持ちを大いに持っています。「ナラティヴ・セラピーの会話術」にも書きましたが、自分のカウンセリングの方法は、マイケル・ホワイトに大いに影響を受けながらも、マイケル・ホワイトのものとは異なっていると思っています。つまり、ナラティヴ・セラピーの思想や哲学を共有したとしても、どのように具体化するか、実践するかについてはかなりのバリエーションがあるはずなのです。
これは、常に伝えることが難しいことです。
多くの場合、人は「何をするのか」を追い求めます。そして、そのことの背景にあることを理解することを怠るのです。しかし、そのことの背景にあることを理解できる時、実践のあり方に自由度が生まれます。多分、その場その場に会わせた実践のあり方や、多彩な実践方法の可能性につながるのではないかと思うのです。
そこで、私が今考えているのは、ナラティヴ・アプローチを実践していることを発表し、そのことから学ぶ場をしっかりと作れないかということです。そこで、ナラティヴの思想の具体化の多様性に触れて欲しいと思っています。
それは、学会、カンファレンス、勉強会、事例検討会というような、すでに過去のやり方が染みついたものにもしたくない気がします。
それは、もっと楽しく、もっとエキサイティングで、それぞれがもっと語れる場にしたいのです。
この場をなんと名付けることができるだろうかとしばらく考えていたのですが、昨日、横山克貴さんに言葉をもらい、ここに書きたくなっています。横山克貴さんは、一年間、ワイカト大学でナラティヴ・セラピーを学ぶために研修にきています。今、私のフラットにホームステイしているので、話す時間がたっぷりあるのです。話が横道にそれますが、PS4で、モンスターハンターワールドを交代にプレイしながら話しています。
そのよう場を「ナラティヴ・アセンブリ」という名称をつけられるだろうか、という問い掛けに対して、克貴さんは「ナラティヴ・カーニバル」はどうだろうか、いってくれたのです。
「ナラティヴ・カーニバル」という名称からイメージできるのは、何をするのか見通しが立たないものの、楽しいことが待っているような印象を持つことがではないでしょうか。真剣に心理療法のことを話すには、不謹慎という感じを持つ人がいるかもしれませんが、もう少しカーニバルというところからこの会のことを検討してみたいと思います。
次のような方針が考えられるのではないかと思うのです。
1.座長、スーパーバイザーのような権威構造を持たない。
2.誰でも発言できる構造を維持する。一人ひとりが順に語る機会というよりも、みんなが語り合っているような場が想像できます。
3.収束よりも発散、統一見解よりも多様性を求める。
4.大切なのはおのおのの体験から理解できたことであり、それぞれが理解したことは、それ以下のものでもないし、それ以上のものでもない。
5.クライエントと共に、それに対応しているカウンセラーも尊重される。
6.(もう少し寝かせれば、もっと出るような気がします)
具体的には何がしたいと思い始めているのかというと、2〜3日間、実践から学ぶための場を持ちたいということです。それは、ひとつの会場だけで足りるようなものではなく、三つぐらいの会場で同時進行するぐらいの規模でできるのではないだろうかと思っています。
内容としては次のようなことをカバーできるのではないかと思います。
1.ポスト構造主義が心理療法に意味するところ
2.マイケル・ホワイトを語ること
3.実践を共有してもらい、そこから語り継いでいくこと
4.ナラティヴ・セラピーのダイアログを検討すること
5.ナラティヴ・セラピーを学んでいく過程について検討すること
6.(こちらも、もう少し寝かせれば、もっと出るような気がします)
プレゼンテーションの形式も、ビデオ、音声、手紙、会話など何でも良いような気がしています。要は、それぞれの学びは発表そのものにあるのではなく、それについて語り合うことから生まれると考えるので、そのことについてしっかりと語り合う時間を取るような場にしたいのです。
つまり、プレゼンテーション→リフレクティングによる語り→小グループディスカッションというような形式でつなげていきたいと考えています。
別途検討しなければいけないのですが、質疑応答は止めたい、と思っています。それは、その場で提示される質問の質によってその場が大きく変容してしまうからです。
自らの思いを口に出すことの大切さを近年感じていますので、まずは書きました。