鹿児島県伊佐市と鹿児島市での私達の報告会、「ニュージーランド×ナラティヴ・セラピー 『あたりまえ』を抜け出す2時間半」が終わりました。
これから報告会を一緒に行うメンバーや興味を持ってくださっている方に、どのようなやり方でどのような話をしたか、何を思ったか、ということをここで報告しようと思い、ここに書き始めます。
※これから参加してくださる方には、少しネタバレになるので、新鮮な気持ちで参加したい方は報告会後にお読みください(笑)
1,概要
伊佐市では16名、鹿児島市では19名の方が参加してくださりました。ナラティヴ・セラピーについて既にたくさん勉強されている方から、はじめて聞いた、という方まで、幅広い層の方たちでした。「あたりまえ」を抜け出すという文言に惹かれて来たという方もいて、自分たちのテーマが人の関心を引いた驚きと嬉しさがありました。
私達は、自分たちが学んだ知識を教える場ではなく、私達がニュージーランドで得た体験や知識や考えを共有してディスカッションする場にしたいと考えていました。どうやったら、参加者から意見を言ってもらいやすいか、知識ではなく哲学のようなあり方のようなものが伝えられるか。そういうことを考えて、以下の形を選びました。
11月2日(金)伊佐市…飲食可能な会場で空気が和みました。
○挨拶とスタッフの紹介
○チェックイン…読んでほしい名前、参加理由(期待、ナラティヴ・セラピーへのこれまでの接点)
○プレゼンテーションby 綾
・ナラティヴ・セラピーという言葉の使われ方
・ナラティヴ・セラピーによる世界の捉え方
・2人組での「あたりまえを考えるナラティヴ的質問」ワーク
○プレゼンテーション by 葉子
・ニュージーランドで体験したこと、日本と違うところ・同じところ
・ナラティヴ・セラピーについて考えてきたこと
・全体を通してのグループディスカッション
○お知らせ、振り返り
11月3日(土)鹿児島市…会場がいろんないみでアツかった!
○挨拶とスタッフの紹介
○チェックイン
○ニュージーランドと日本の印象について二人でプレゼンテーション
○ナラティヴ・セラピーについて
・綾が学び取ったもの プレゼン
・2人組での「あたりまえを考えるナラティヴ的質問」ワーク
・葉子が学び取ったもの プレゼン
・グループでのディスカッション
○ふり返り、お知らせ
2,綾の内容と感想
ニュージーランドの生活とナラティヴ・セラピーとどれくらいの割合で話そうか迷っていたのですが、来てくださった方の関心はナラティヴ・セラピーにあるようだとチェックインでわかりました。そこで、あくまで私達に影響を与えている「あたりまえ」を考える布石として、文化や背景の違うニュージーランドの生活や学校について話すことにしました。
1番伝えたいナラティヴ・セラピーの世界観について、私の理解していること、伝えられることを伝えました。わかっていないことをわかっているように話すのだけはだめだー!と思い、そこは気をつけました。
それから、ドナルドの質問をアレンジして、ペアであたりまえについて問いかけてもらいました。
感想を聞くと、やはり自分が話したことが残っている方が多いようです。理解するベースとしては、人の話を聞いたり、本を読んだりすることは大事だけれども、本当に影響を与えるのは自分自身が語った言葉なんだな、と改めて感じました。私達は、そこに至るまでの基盤を作る話と場を提供できたらいいのかなと思いました。
1年前の今頃、私はニュージーランドでの新しい生活を始めたところで、新しい土地、新しい人にどきどきしている頃でした。とにかく何かをしよう、何か今後につながることを得ようと前のめりで、落ち着いて見ていないこともたくさんあったと思います。そこから、少しずつ人とつながっていき、浩さんや紫さんやかつきさん、葉子さん、NZワークショップメンバー、と書き始めるとキリがありませんが、いろんな人と出会ってつながりました。それが、今あちこちで報告会をして、また新しい人につながったり、今度は私から影響を与えたり、そういう実を結んでいることに大きな驚きがあります。なんだか、知らなかったあり方の扉を開いているような。
まだ、大阪、東京、名古屋も予定しています。その中で、何が共有できるか、どんな話が飛び出てくるか、本当に楽しみにしています。
鹿児島で報告会に来たくださった方、ありがとうございました。感想をアセンブリに書いたり、メールをくれたり、してくださった方、本当に私の力になりました。
そして、これからお会いする予定の方、よろしくおねがいします。
3,葉子の内容と感想
ニュージーランドからも日本からも、たくさんの方が力強いバックアップをしてくださり、さらに、それに共鳴してくださった参加者の方々のアクションがあり、こんな風に報告会ができたことがまずはとても嬉しいです。それに、その実現の仕方にも、私はちらちらとナラティヴ的な方向性を感じます。私や綾さんのような(綾さん、ひとくくりにしてしまいます、ごめん)、言ってしまえば普通の、特に名のある大学の教授だとか、第一線で活躍する専門家だとかいう謳い文句が付くような立場ではない人が、こうやって自分たちの経験をシェアするためにワークショップを開催するという、そういう人間の声を出せる場を作るということも意味がある気がします。また、その時に、誰かが必死になって昼夜働いて実現するようなことではなく、みんながそれぞれの場所でそれぞれのできるアクションを起こして形になったことも重要な気がします。準備のために動いてくれた方々もそうですし、このワークショップに関心をもって来てくれた方、来られなくても関心があると連絡をくださった方、話題にしてくれた方…まだ私が聞けていない、見えてないアクションまで考えるともっとたくさんあるように思います。そういう一見微かなもので、でもそこに確かにあるものの存在感をとても感じられることができた経験でした。
そして、このようにして実現したワークショップが次の動きやストーリーへつながっていきそうな気配も感じています。ワークショップの後に何名かの方々がフィードバックをくださいました。(松尾さんは、このアセンブリにも投稿してくださいました!)ナラティヴ・セラピーのことや、ニュージーランドのことについて話しつつも、「そっちがいいよ」「変わらないといけないよ」というよくあるメッセージから離れて考えられる場になったことが嬉しかったです。そういうスペースからは、次に向かういろいろな可能性が生まれる気がします。「ワークショップに参加して○○○ということを学びました(終)」という感想から進んで、自分の生活や人生に繋がっていくような何かが生まれるように思えるのです。そういうものは、また別の人の人生やストーリーにも影響して繋がっていくことができるものになります。鹿児島では勉強会も立ち上がっていきそうな感じがしています。きっと、この“感じ”も、今回のワークショップのように少しずつ言葉にしていくことから実現へ向かっていくのではないかと思っています。
この波紋がどこまで広がっていくのか、次の大阪・東京・名古屋ではどうなっていくのか、ワクワクしています。皆さん、今後もどうぞよろしくお願いいたします。