人が生きていくうえでのウェルビーングには、その人が主体としてもつ価値観が密接に関係しています。自分が何に価値を置いているのかということは、自分がどのような人間であるかというアイデンティティの主張に結び付き、さらには自分の行動や進路の選択を支えることになるでしょう。社会構成主義的な思想的背景を持つナラティヴ・セラピーでは、会話の中で豊かに物語が語られることを重視し、その物語を通して人々がもつ価値を発見ないし発展させていくという面を持ちます。本ワークショップでは、ナラティヴ・セラピー発祥の地の1つであるニュージーランドで、心理臨床実践の教育に長年携わってこられたElmarie Kotzé博士をお招きし、思春期青年のもつ価値観の形成がナラティヴ(物語り)にいかに関わっているかを検討します。
※ 講師は英語で話しますが、英語―日本語の通訳がつきます。
【講師】 Elmarie Kotzé博士 (Waikato大学、ニュージーランド)
【通訳】 バーナード紫
【日時】 2019年11月10日(日曜日) 13時~17時半(12時半~受付開始)
【場所】 東京大学(本郷キャンパス) 教育学部棟158教室
【定員】 55名(申し込み順)
【参加費】 無料
【申し込みサイト】https://richstorydevelopment.peatix.com
【Elmarie Kotzé博士の紹介】
Kotzé博士は教育心理学者で、アメリカのRochester大学から始まり、イタリアやオーストラリアでカウンセリングを学んできました。これまで5つの大学で教鞭をとり、現在はカウンセラー教育に携わっています。専門はナラティヴ・カウンセリングで、論文、著書も数多く、特に、ナラティヴ・セラピーの視点から人々のアイデンティティ主張を支える価値観の形成とそこに影響する要因に関心をもっています。
主催: 東京大学教育学研究科 能智研究室
文部科学省 新学術領域「脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学」