エルマリーの贈り物

2018年のナラティヴ・セラピー・ワークショップは日曜日からYWCAで始まりました。本格的な研修が始まったのは月曜日からでしたが,その最初に登場してくれたのがエルマリーでした。私自身,初めての参加という事もあり,緊張が取れないような段階だったと思いますが,エルマリーのとても暖かい人柄がすぐに伝わってきました。
数日後,研修の休憩時間にエルマリーが再びYWCAに来ました。後で知ったのですが本を一冊持ってきてくれたとのことです。タイトルは\”MOEMOEĀ\”。副題は\”Māori counselling journeys\”。MOEMOEĀというのはマオリ語ですが,この意味を Māori Dictionary というサイトで調べたところ「夢」という意味でした。
この本,一冊だけなので受講者のうちの誰か一人だけが持って帰ることになりました。興味を示した3人で話し合ったところ,とりあえず誰かが持って帰り,その後,郵送して渡そうということになりました。それで,ひとまず私が持って帰りました。
帰国して表紙をめくったところ,1ページ目の下に次のようなエルマリーのコメントとサインがありました。
Kia ora
To the 2018
Japanese visitors
Aroha
Elmarie
このうち,最初の\”Kia ora\”というマオリ語は研修の時にも取り上げられていましたが,その時は意味を聞き逃しました。あとで調べたところ「たくさんの幸せが訪れますように」という意味のようです。また,\”Aroha\”は挨拶で使われるもので,日本人にもなじみのある言葉です。もともとは多くの意味がこめられた言葉のようで,辞書サイトによると慈愛,共感,慈善,思いやりといった意味があるのだそうです。
ページを少しめくって,ほんの少し最初の所を読んでみました。どうやら,マオリの文化や哲学,これまで体験してきた事を描くことでカウンセリングに関する洞察を豊かにすることが狙いのようです。
今,この本を日本に持ち帰り,手に取りながらいろんなことを考えています。その中の一つは,「この本を通じてエルマリーが私たちに贈りたかったものとは何だろう」ということです。書名から推測すると一つは「夢」ということでしょうが,それ以外にもありそうです。ニュージーランドの研修でも実に多くのものをもらったのですが,渡された本には研修だけでは伝えきれない何かが含まれているような気がします。