カウンセリングのプロセスのもっとも原始的なところを確認するワーク

カウンセリングにおいて、もっと根底的なものは、相手の話を受け取るということであると考えることができます。これを、傾聴や共感と言い換えることもできますが、ここでは受領することであるとして考えてみます。

傾聴や共感という言葉を使うと、その状態にあるにあるかどうかのまなざしを自分自身に向けることになり、相手に向かうことになりにくい気がしています。

クライアント(話し手)は、人に向かって話をしてきます。自分の考え、思い、感情などを人に向かって出すという作業です。この出された言葉は、相手に受け取られる必要があります。

この基本的なこと、つまりカウンセリング・プロセスのもっとも原始的なことが、どの程度重要なことかについては、話を聴く立場にある者は、理解しておく価値があります。

そこで、次のようなワークを考案してみました。これは、2019年12月23日に名古屋で実施した「圧のない関わりの居心地」で実際に試して見ました。

1.話し手の話を、20分から30分聞く。

2.話を聞くときに、うなずく、「はい」「そうなんですね」「ああ」「なるほど」を適宜交えていく。

3.途中途中で、話の切れ目で、相手の正確な言葉を使って、相手の話したことを返す。
(1)相手の言葉、そのまま繰り返す。
(2)相手の言ったフレーズをいくつかそのまま繰り返す。
(3)相手の言葉を使って、要点だけを返す。
(4)言葉は返すだけあり、質問をしない。多少、話の内容が分からないところがあっても構わない。
(5)基本的な姿勢は、返すときに、足さない、変えない。でも、暗記テストではないので、相手に確認することもできる。
(6)相手の言葉をしっかりと返していくために、メモを取ることを推奨する。
(7)相手の言葉の中で、繰り返すのをためらうものがあっても、勇気を出してその言葉を返す。
(8)プロセスのイメージとしては、話し手が語った言葉を、繰り返して、両者の間にあるテーブルの上に、「そっと」置く感じ。話し手が、自分の言ったことを突きつけられるのではなく、テーブルの上に置かれたものをゆっくりと見ることができるような感じになるように。

4.言葉を返した後、その後の方向性は完全に相手に委ねる
(1)もっと話をしてもらえますか?
(2)ここからどこを話して見たいでしょうか?

このワークにおいて、話し手は、自分の言葉がそのまま返ってくることの大切さを感じて欲しいと思います。また、それだけでも話がどこかに進むことができるのだという感覚も持って欲しいと思います。

また聞き手は、これまで習ってきた、培ってきた技法をすべて封印されるてしまうことになりますが、しっかりと相手に向かって、相手の言葉を拾い、それを返すことだけで、話はどのように展開する可能性があるのかということを感じて欲しいと思います。

相手の話を受け取ること(受領すること)の大切さを理解することができるのではないかと思うのです。

聞き手がこのワークで求める姿勢に留まることの難しさを感じると同時に、その大切さを理解して欲しいということです。

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